各鉄道会社の2018年3月期 本決算(第4四半期:2017年4月1日~3月31日)が出揃ったのでまとめてみます。
説明
・決算短信における「売上高」を売上高、「営業利益」を利益として記載しています。
・例えば200円の切符収入があった場合、「売上高」は200円を、そこから電気代・人件費などの経費を差し引いて仮に100円が残った場合、「利益」はその100円を指します。
・時価総額は、「発行済み株式x株価」を指し、良い企業かどうかを最も客観的に指す数値になっています。
・数値はすべて「連結決算」です。すなわち「電鉄」の売り上げだけではなく、例えば阪急阪神HDなら「阪神タイガース」「宝塚歌劇団」の売り上げも一緒に計上されています。
・株価は5/31時点、売上高及び営業利益は3月31日時点でのデータです。単位は百万円です
関西5大私鉄
京阪・南海・近鉄・阪急阪神の5大私鉄は次のとおり。グラフには記載していませんが、南海電鉄の営業利益率が15%近くまで伸びています。空港線の輸送人員の伸びが6年間で2倍を記録するなど、インバウンド効果が相当あったようですね。
その他関西私鉄
関西圏の4社(5私鉄)以外については以下のとおり。意外なことに、鉄道趣味目線ではあまり目立たない存在の京福電鉄は上場企業です
売上高 | 利益 | 時価総額 | |
山陽電鉄 | 47,276 | 3,367 | 60,315 |
神戸電鉄 | 23,001 | 2,275 | 32,166 |
京福電気鉄道 | 11,446 | 682 | 5,716 |
近隣地域
続いて、関西に近い3社を挙げてみます。2017年度は広島電鉄の営業利益が赤字になっていますが、これは車両新造などの設備投資に伴う一時的な赤字と見られます。
売上高 | 利益 | 時価総額 | |
名古屋鉄道 | 604,804 | 46,976 | 532,957 |
西日本鉄道 | 375,153 | 20,430 | 227,367 |
広島電鉄 | 40,252 | -225 | 33,977 |
首都圏7大私鉄
首都圏の7大私鉄については次の通り。東急が頭ひとつ出ている印象です。
売上高 | 利益 | 時価総額 | |
西武HD | 530,631 | 64,259 | 612,746 |
東武鉄道 | 569,519 | 66,645 | 716,558 |
東京急行 | 1,138,612 | 82,918 | 1,208,498 |
京浜急行 | 315,685 | 29,474 | 645,004 |
京王電鉄 | 434,697 | 38,537 | 650,467 |
小田急電鉄 | 524,660 | 51,464 | 868,466 |
京成電鉄 | 255,028 | 300,85 | 637,059 |
時価総額ランキング
このページ内で挙げた私鉄の時価総額をランキング式にすると以下の通り。
時価総額とは、平たくいうと市場からの評価を表す数字で、ランキング・格付けするのに一定の公正な指標になります。
阪急阪神HD・東急電鉄が1兆円超えを達成しています。2Q(9月末)時点では阪急阪神ホールディングスが全鉄道会社でトップの地位にいましたが、東急電鉄に盛り返されています。
売上高ランキング
売上高ランキングにすると以下の通り。基本的には規模が大きい会社ほど売上高は伸びるので、路線網が広い近鉄や名鉄、東武鉄道などが上位に来ます。
営業利益ランキング
営業利益ランキングにすると以下の通り。どれだけ儲かったかを示す数字です。阪急阪神ホールディングスがやや頭一つ抜けている印象、その後に東急電鉄が続きます。
東武鉄道・近鉄グループホールディングス・西武ホールディングスが横並びですね。
今回挙げた18社を散布図で図解してみました。右に行くほど売上高が多く、上に行くほど営業利益率が高いことを示します。
(参考)JRグループ
最後に、JRグループのデータも掲載します。
売上高 | 営業利益 | 時価総額 | |
JR西日本 | 1500445 | 191365 | 1516558 |
JR東日本 | 2950156 | 481295 | 4147725 |
JR東海 | 1822039 | 662023 | 4637060 |
JR九州 | 413371 | 63963 | 554400 |
連結決算(グループ会社などを含めた数字のこと)、2017年本決算(4/1~3/31)より
JR四国・JR北海道・JR貨物は未上場のため非掲載
参考
売上高・利益(営業利益)・時価総額共、Yahoo!ファイナンスより