
富山県東部で鉄道事業を行う富山地方鉄道株式会社が、2023年度の決算を有価証券報告書内で発表しました。
それによると、今期の営業収益(売上高)は94億6502万円、純利益(黒字)額は12億4000万円、利益剰余金(これまで貯めているお金や棚卸資産、土地の評価額などのこと)は70億4466万円となりました。
ただし、後述するようにこの黒字は補助金と土地の売却益がメインで、営業面だけで見れば赤字となっています。
前年度との比較

売上高 | 当期純利益 | 利益剰余金 | |
2022年度 | 91億528万円 | 5億1840万円 | 58億458万円 |
2023年度 | 94億6502万円 | 12億9737万円 | 70億4466万円 |
額面上は黒字ですが、内訳を見るとその大半は固定資産売却と補助金となっており、純粋な営業面だけを見ると赤字決算です。
土地の売却益が11億7749万円、補助金が12億5146万円で、このうち補助金の内訳は以下の通り。
乗合バス欠損補助金(国・富山県) 6億9915万円
鉄軌道施設総合安全対策補助金(国) 2億9067万円
公共交通等燃料価格高騰対策支援事業費補助金(富山県・富山市) 2億6162万円
事業別の内訳

鉄道事業収益 | 軌道事業収益 | 営業利益 | |
2022年度 | ▲5億4056万円 | 1億4165万円 | ▲3億4508万円 |
2023年度 | ▲9億9127万円 | 3084万円 | ▲9億8741万円 |
※万円以下は切り捨て
※▲はマイナスを表す
事業別では軌道(路面電車)、レジャー、不動産事業が黒字なものの、鉄道、自動車(バス)がそれらを上回る赤字となっています。
関連リンク
参考文献
富山地方鉄道「有価証券報告書」
NHK富山@「富山地方鉄道 昨年度決算 営業損益5期連続赤字」