金沢市周辺で鉄道事業を行う北陸鉄道株式会社が、2023年度の決算を有価証券報告書内で発表しました。
それによると、今期の営業収益(売上高)は111億8016万円、純利益(黒字)額は8億2554万円、利益剰余金(これまで貯めているお金や棚卸資産、土地の評価額などのこと)は40億1289万円となりました。
前年度との比較
売上高 | 当期純利益 | 利益剰余金 | |
2022年度 | 103億2318万円 | 6億5300万円 | 31億8734万円 |
2023年度 | 111億8016万円 | 8億2554万円 | 40億1289万円 |
北陸”鉄道”と名前がつくものの、収益の大半はバス事業がメインです。
鉄道事業の売上が5億円程度なのに対し、バス事業は83億円と16倍近くの差があります。
上記輸送業の他、レジャー・サービス業と不動産業、建設業があり、レジャー・サービス業では物品販売業・自動車教習業などがあります。
運輸業…鉄道、バス
レジャー・サービス業…ソフトウェア開発。情報処理業、旅行業、ガソリンスタンド、自動車教習業、清掃受託、航空地上h業務、保険代理店、小松空港内売店
建設業…電気工事、道路工事
不動産業…賃貸業
意外な株主と成り立ち
意外にも北陸鉄道の大株主は名古屋鉄道で、保有比率は13.97%を占めています。
これは北陸鉄道が元々陸運統制令に基づいた他社の強引な合併を行った関係で、戦後にストライキが多発したことで役員が辞任させられるなど大きく混乱を招いた影響があります。
この際に、運輸省から名古屋鉄道へ混乱の収拾を打診したことで、傘下に置いたことが発端になっています。
隣県の富山でも同じ原因で合併させられ、現在の富山地方鉄道が誕生しました。
また、阪急電鉄はこの混乱に乗じて、元々他社(京阪)のものだった新京阪電鉄を強奪するなど、現在に至るまで陸運統制令は様々な形で鉄道界に影響を及ぼしています。
元々異なる企業を合併したという経緯から、現存する鉄道2路線は直結しておらず、それぞれ
・金沢をターミナルとする浅野川線(元営団地下鉄03系がいる方)
・西金沢をターミナルとする石川線(元東急・京王がいる方)
の独立路線となっています。
また、最近は上記例に挙げた京阪ホールディングスからも出資を受けており、0.65%ながら第4位の株主となっています。
名古屋鉄道…13.97%
北國銀行…3.95%
石川日野自動車…0.70%
京阪ホールディングス…0.65%
北陸電力…0.65%
北陸銀行…0.56%