名鉄百貨店、30億円の赤字に拡大…(2023年度)

名古屋鉄道傘下で百貨店事業を運営する株式会社名鉄百貨店が、2023年度の決算を発表しました。

それによると、今期の純損失(赤字)額は30億1300万円利益剰余金(これまで貯めているお金や土地資産などのこと)は▲89億9200万円でした。

 

過去との比較

当期純利益 利益剰余金
2020年度 ▲23億1600万円 ▲21億600万円
2021年度 ▲18億5900万円 ▲39億4000万円
2022年度 ▲20億5300万円 ▲59億9300万円
2023年度 ▲30億1300万円 ▲89億9200万円

前年度との比較。

ここには記載していませんが2019年度も7億円の赤字を出しており、5期連続の赤字となっています。

 

概要

名鉄百貨店は、1954年12月に名鉄名古屋駅の直上にオープンした電鉄系百貨店です。開業に当たっては阪急電鉄の指導を受け、ホールや東宝シネマ(映画館)などもありました。

名鉄とは1962年には資本提携を、2004年には名鉄による子会社化を行い、名鉄グループの一員となりました。

本店には有名な「ナナちゃん人形」が鎮座するなど、名古屋文化の象徴とも言える存在です。

先述したように5期連続での赤字となっており、この影響か2024年1月には名鉄百貨店一宮店が閉店するなど、あまり芳しくない状況が続いています。

長らく「4M」と呼ばれた名古屋圏の百貨店は、JR東海と高島屋がタッグを組んだ「ジェイアール名古屋タカシマヤ」が新しく登場して大きく業績を伸ばした一方、2018年には老舗の丸栄が閉店するなど、変化が起きています。

今後はリニアが名古屋駅まで延伸予定であることから、名鉄百貨店名古屋本店を含んだ周辺のビルを一体化して再開発する計画が持ち上がっています。

 

関連リンク

名鉄百貨店、20億円の赤字を計上(2022年度)