2018年10月31日、南海電気鉄道株式会社は「2019年3月期 第二四半期(2Q)決算」(4月1日~9月30日の営業成績)を発表しました。
※…Qは「クォーター」の意
上場企業の決算は3ヶ月(四半期)に1度開示されます。今回は4月1日から9月30日まで、4月から数えて半年時点での中間決算となります。
グループ全体
売上高(営業収益):1127億2400万円(+4.1%)
営業利益:172億2500万円(+2.6%)
経常利益:154億3300万円(+4.7%)
純利益:122億8300万円(+21.2%)
売上高は前年度比で4.1%増の1127億2400万円、営業利益は前年度比2.6%増の172億2500万円となり、増収増益となっています。
南海電気鉄道グループの主要事業と売上構成比は運輸業(38.6%)、不動産業(15.8%)、流通業(13.6%)、レジャー・サービス業(15.1%)、建設業(16.0%)と、不動産業メインが多い昨今の鉄道企業としては珍しく、鉄道などの運輸業が主軸となっています。
運輸業:自然災害の影響が甚大
運輸業全体については売上高が502億7400万円(前年度比-0.4%)、営業利益は79億5300万円(前年度比-2.4%)と減収減益でした。
インバウンド効果による空港線の大幅な増収の恩恵を引き続き受けているものの、地震や特に台風の影響を大きく受けて運休日が増えたことと復旧費用の計上が理由としてあるようです。
子会社の泉北高速鉄道が運行している泉北ライナーは、引き続き好調な運営のようです。
運輸業には南海電鉄、泉北高速鉄道、南海バスの他、阪堺電気軌道や関西空港交通、徳島バスなども含まれます。
建設業
南海電鉄において、鉄道輸送の次にシェアを取っているのが建設業。南海辰村建設などがここに入りますが、今回の中間決算では売上高が212億5700万円(前年度比+8%)、営業利益は10億4000万円(前年度比+27.3%)と増収増益でした。
2018年9月に竣工したなんばスカイオによる固定資産の増加を受けているようです。
流通業
流通業については、売上高が167億7700万円(前年度比-5.9%)、営業利益は20億4800万円(前年度比+6.7%)と減収増益でした。Osaka Metroの駅売店(ekimo事業)を手がけているのはこの南海電鉄流通部門です。
ekimo事業においてテナントとの契約形態変更により減収としていますが、ショッピングセンター好調による増収の影響を受けて営業利益は増益となりました。
流通業部門には、先ほど挙げた駅ナカビジネス部門「ekimo」事業の他、ショッピングセンター部門に「なんばパークス・なんば・いずみおおつCITY、アンスリー」などが含まれます。
レジャー・サービス業
出典:http://www.hotel-nakanoshima.jp/points/
レジャー・サービス業については、2Q売上高が181億7700万円(前年度比-2.6%)、営業利益は5億1500万円(前年度比-48.3%)と大幅な減益となっています。
「ホテル中の島」のリニューアル工事に伴う休業の影響で一時的なもの、としています。ホテル中の島は2019年3月にリニューアルオープンするとのことです。
レジャーサービス業には、旅館ホテルの他、「みさき公園」などの遊園業、「住之江競艇場における施設賃貸業」が含まれます。
参考資料・ツイート
南海電気鉄道『2019年3月期 第2四半期決算短信』
<http://www.nankai.co.jp/library/ir/tanshin/pdf/181031.pdf>
いつもまとめありがとうございます。
細かい点なのですが、運輸業と流通業には泉北高速鉄道も含まるはずです。文章の書き方を見るに忘れられてそうなので、指摘させていただきました。— 学割証の発行 (@kanyao1230) November 14, 2018