現在コロワイドグループとのTOB問題で揺れている、株式会社大戸屋ホールディングスの子会社「株式会社大戸屋」が、2019年度(経済用語では2020年3月期といいます)の決算を発表しました。
それによると、今期の純損失(赤字)額は9億8826万円、利益剰余金(これまで貯めているお金や土地資産などのこと)は-7億5758万円と大幅な悪化となりました。
買収で揺れる
大戸屋は文字通り、定食屋「大戸屋」を直営で運営する部門です。
大戸屋ホールディングスの「国内/海外直営事業・国内/海外フランチャイズ事業」のうち、根幹をなす国内直営事業です。
大阪ではあまり馴染みのない定食屋で、どちらかというと関東が中心のお店です。
敵対的買収の最中
現在、コロワイドグループが大戸屋ホールディングスへ敵対的TOBをしかけています。敵対的TOBとは、買収される会社が心底嫌っているにも関わらず、金の力で強引に我が物にするという動きのことです。
コロワイドは7/10から8/25まで、一株3081円で株を購入するとしています。この価格はTOB前の市場価格から40%上回る数字です。
今回は、跡目を継げなかった大戸屋の創業家が、コロワイドに17%程度の株式を渡して買収させるという流れになっていると共に、こだわってきた大戸屋の店内調理をやめさせて収益率の高いセントラルキッチン方式への転換を図り、利益を得ようとするのが目的にあります。
確かに今回の決算を見ていると純損失9.8億と散々たるもので、経営資源をうまく活かせていない印象があります。
しかもこの数値は2019年度(4-3月)なので、コロナウイルスの影響は殆ど関係がありません。
関連リンク
見通しが甘かった大戸屋、買収どころではないコロワイド 「大戸屋紛争2.0」を読み解く
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2007/29/news024.html