信楽高原鐵道、1089万円の黒字を計上(2022年度)

滋賀県内を走る信楽高原鐵道株式会社が、2022年度の決算を公式サイト内にて発表しています。

それによると今期の純利益(黒字)額は1089万円、利益剰余金(これまで貯めているお金や土地資産などのこと)は▲3億986万円となりました。

 

概要・比較

当期純利益 利益剰余金
2020年度 ▲949万円 ▲3億119万円
2021年度 ▲1957万円 ▲3億2076万円
2022年度 1089万円 ▲3億986万円

過去3年との比較。今期決算においては黒字となっていますが、内訳を覗くとやや妙なことになっています。

まず事業として、鉄道事業は565万円の赤字付帯事業(賃貸業とレンタサイクル業)は364万円の黒字となっています。

つまり事業全体としては赤字な訳ですが、何故か最終的な数字は黒字です。

となると何かしら別の収入があるわけですが、第三セクター企業で多いのは「自治体からの補助金収入」です。

出典:信楽高原鐵道「損益計算書」2022年度

しかし今期決算では補助金の項目は0円となっていて、過大な収入として計上されているのが「その他」です。

その他の項目で1419万円もの特別利益が計上されているのが、今期決算で黒字になっている理由です。その他って何だよ

補助金以外で何らかの大きな収入があったものとみられます。

 

信楽高原鐵道について

信楽高原鐵道は、滋賀県の信楽駅からJR草津線の貴生川駅間を結ぶ第三セクター鉄道です。

元々は国鉄の路線でしたが、民営化時に切り離されて現在は甲賀市と滋賀県などが出資する第三セクターとして運行されています。

1991年に信楽高原鐵道列車衝突事故を起こしたことでも有名で、福知山線脱線事故が起きるまでは長らく凄惨な鉄道事故が起きた路線として記憶されてきました。

2013年に線路・車両などの資産部分を甲賀市が保有する上下分離方式を取っており、信楽高原鐵道は運行のみを担当する第二種鉄道事業者となっています。

 

関連リンク

信楽高原鐵道、949万円の赤字を計上(2020年度)

 

参考文献

信楽高原鐵道「損益計算書」2022年度