2019年5月10日、京阪電鉄などを傘下にもつ京阪ホールディングス株式会社は「2019年3月期 決算」(2018年4月1日~19年3月31日の営業成績)を発表しました。
上場企業の決算は3ヶ月(四半期)に1度開示されます。今回は4月1日から3月31日までの1年間を振り返る締めの決算となります。
ホールディングス全体
売上高(営業収益) | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | |
2017年3月期 | 3029億1700万円 | 323億4300万円 | 303億3500万円 | 226億3600万円 |
2018年3月期 | 3222億7600万円(+6.4%) | 314億5800万円(△2.7%) | 296億3000万円(△2.3%) | 227億1200万円(+0.3%) |
2019年3月期 | 3261億5900万円(+1.2%) | 337億1500万円(+7.2%) | 321億800万円(+8.4%) | 214億8000万円(▲5.4%) |
・営業利益…本業(鉄道やバス、不動産など事業活動で得たお金)の収益の部分
・経常利益…株式で得たお金/損したお金や銀行預金の利息を差し引きした数字
・当期純利益…経常利益から単発的に発生した収益/費用と税金を差し引きした数字
グループ全体の売上高は7年連続プラスの前年度比+1.2%の3261億5900万円、営業利益は前年度比+7.2%の337億1500万円、純利益は5.4%マイナスの214億80700万円と増収減益となりました。
京阪ホールディングスは順調な成長を見せていることから、9日より新社長としてこれまで取締役常務を務めていた石丸昌宏氏(59)を新社長とする人事を発表しました。これまでの加藤好文社長は代表権のある会長を務めることとなります。
京阪ホールディングスの主要事業は、鉄道などの「運輸業」、マンション販売・ビル経営などの「不動産業」、百貨店などの「流通業」の3事業の他、琵琶湖観光船ミシガンなどのレジャー業なども行われています。
今回は、その中でも主要3事業について取り上げます。
運輸業:プレミアムカー効果は2.3億円とまずまず
営業収益(売上高) | 前年度比 | 営業利益 | 前年度比 | |
2017年 | 944億400万円 | 99億7600万円 | ||
2018年 | 922億6200万円 | △2.3% | 91億8000万円 | △8.0% |
2019年 | 939億2600万円 | +1.8% | 112億2100万円 | +22.2% |
運輸業については増収増益。京阪電鉄のプレミアムカー・ライナーが相変わらず好調で、売上高に2億3600万円寄与しています。
今年度は営業利益の大幅な増加が見られますが、この原動力はなんとバス事業。営業利益ベースで見ると、昨年度が8億9000万円だったのが、今年は13億9300万円と1.5倍増です。
京阪HDはこの理由を一般路線や関西空港リムジンバスの堅調な推移としていますが、それにしてもこれはなかなか注目に値するものですね
不動産業:好調
営業収益(売上高) | 前年度比 | 営業利益 | 前年度比 | |
2017年 | 940億1400万円 | 144億9100万円 | ||
2018年 | 1131億3200万円 | +20.3% | 153億1600万円 | +5.7% |
2019年 | 1186億700万円 | +4.8% | 174億6800万円 | +14.0% |
不動産業についても増収減益となっています。
不動産販売業においては住宅地に
・「京阪東ローズタウン」
・「ローズプレイス瀬田唐橋」
分譲マンションでは
・「ザ・ファインタワー梅田豊崎」
・「北浜ミッドタワー」
首都圏では
・「ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ」
・「ファインシティ武蔵野富士見」
・「ファインシティ東松戸モール&レジデンス」などを販売しています。
また、不動産賃貸業においても2019年2月1日に「アリエッタホテル博多」を取得するなど、かなり積極的な事業展開を進めました。
これらの営業努力の結果が実を結び、前年度に引き続き増収を維持しています。
流通業:微増
営業収益(売上高) | 前年度比 | 営業利益 | 前年度比 | |
2017年 | 984億9300万円 | 26億3600万円 | ||
2018年 | 1007億900万円 | +2.2% | 28億4500万円 | +7.9% |
2019年 | 987億2700万円 | ▲2.0% | 29億2300万円 | +2.8% |
流通業は減収増益です。サービスとしては京阪百貨店、京阪モール、フレスト、Sweets boxがここにあたります。
今期は枚方市駅のリニューアルによって「無印良品 京阪ひらかた」をオープンさせるなど、積極的な事業展開を進めました。
参考資料
京阪ホールディングス『2019年3月期 決算短信』
<https://www.keihan-holdings.co.jp/ir/upload/2019-05-09_kessan.pdf>
京阪ホールディングス『2019年3月期 決算補足資料』
<https://www.keihan-holdings.co.jp/ir/upload/2019-05-09_kessan-hosoku.pdf>