三重県四日市市と津市とを結んでいる伊勢鉄道株式会社が、2021年度(経済用語では2022年3月期といいます)の決算を公式サイト上で発表しました。
それによると、今期の売上高は3億203万円、純利益(黒字)額は5439万円、利益剰余金(これまで貯めているお金のこと)は▲1649万円となりました。
昨年度との比較
当期純利益 | 利益剰余金 | |
2020年度 | ||
2021年度 |
単年度では黒字と赤字をいったりきたりしています。昨年度は通過するJR東海車両が少なかったことで収益もガクッと下がりました。
4年ぶりの黒字となった背景には、三重県や沿線自治体が積み立てていた基金の取り崩しや、補助金によるもので、あまり手放しに喜べる状況というわけでもなさそうです。
三セクでは
伊勢鉄道といえば、第三セクター鉄道では稼ぐ路線として一部で有名な路線です。
現在の収益額トップは智頭急行ですが、この他鹿島臨海鉄道、若桜鉄道、愛知環状鉄道、そしてこの伊勢鉄道が比較的黒字を叩き出す路線として著名です。(尚、かつては北越急行もそうでした)
・愛知環状鉄道 ▲5億602万円
・智頭急行 ▲9615万円
・鹿島臨海鉄道 ▲6149万円
・伊勢鉄道 5439万円
尚、今年度に関しては黒字とされる各第三セクター会社も苦しい決算となっている中、伊勢鉄道のみが黒字転換を果たしています。
(前述したように基金取り崩しなどの効果なのであまり喜べなさそうではありますが…)
関連リンク
参考文献
伊勢鉄道「第36期事業報告書」
中日新聞「伊勢鉄道、21年度純利益が4年ぶり黒字 輸送人員やや回復」2022年6月23日