愛知県の枇杷島~勝川間で城北線を運行する東海交通事業株式会社が、2022年度の決算を発表しました。
それによると、今期の純利益(黒字)額は4600万円、利益剰余金(これまで貯めているお金のこと)は18億4000万円でした。
前年度比較
当期純利益 | 利益剰余金 | |
2020年度 | 4200万円 | 16億4500万円 |
2021年度 | 1億4700万円 | 17億9300万円 |
2022年度 | 4600万円 | 18億4000万円 |
前年度との比較。コロナをまるで感じさせないような機械的な決算です。
後述しますが、事業内容は殆ど親会社のJR東海関連のもので、親会社のJR東海が苦境に苦しんでいた割には涼しい決算ですね…。
解説
東海交通事業はJR東海の子会社で、 鉄道事業としては名古屋市郊外を走る城北線の運営を担当しています。
城北線はディーゼルの1両編成の車両が40分間隔程度で行き来する閑散路線ですが、意外と好調な決算内容なのが意外ですね。
これは城北線の他に、JR東海の駅業務の半数を受託することでその委託料が支払われていることが主な要因です。
【委託内容】
・在来線の駅の窓口業務
・「お客さまサポートサービス」業務
・各種問い合わせや遺失物対応を行う「JR東海テレフォンセンター」【その他事業】
・駐車場貸付事業
・城北線高架下用地貸付事業
・自動販売機設置事業
・レンタカー事業
また、城北線についても、鉄道施設部分を保有しておらず、建設費を支払う必要がないことも一因にあるようです。(旧鉄道公団が保有してそれを東海交通事業が借入ている形を採っているそうです)
この路線が枇杷島~勝川という中途半端なところで止められているのは、こういった事情もあるようで、2032年まではこの状態での運行となりそうです。
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