2018年11月5日、京阪ホールディングス株式会社は「2019年3月期 第二四半期(2Q)中間決算」(2018年4月1日~9月30日の営業成績)を発表しました。
※…Qは「クォーター」の意
上場企業の決算は3ヶ月(四半期)に1度開示されます。今回は4月1日から9月30日まで、4月から数えて半年時点での中間決算となります。
ホールディングス全体
売上高(営業収益):1528億4600万円(+6.3%)
営業利益:170億1400万円(+8.1%)
経常利益:162億9700万円(+9.7%)
売上高は前年度比で6.3%増の1528億4600万円、営業利益も前年度比8.1%増の157億4000万円と増収増益となっています。
京阪ホールディングスの主要事業は、鉄道などの「運輸業」、マンション販売・ビル経営などの「不動産業」、百貨店などの「流通業」の3事業となっている他、レジャー業なども行われています。
今回は、その中でも主要3事業について取り上げます。
運輸業:プレミアムカーとライナーが1.7億円寄与
運輸業については増益。京阪電鉄としてはプレミアムカー・ライナーの効果が1億7200万円もあり、定期外旅客収入の増加に一役買っています。
プレミアムカーがスタートした2017年度の増収効果が1年で2.6億円でしたが、このペースを上回る勢いです。このまま順調に行けば今年度は3.6億円程度で着地することになりそうです。
バス事業についてもインバウンド効果による関西空港リムジンバスの利用者数増加に伴い増収増益を果たしました。
ただ台風災害の影響をかなり受けており、叡山電鉄は長らく区間運転を、京阪本線も台風の影響で2日間にわたって全線運休を余儀なくされました。この他6月には地震の影響で6月18日の7時58分~14時頃まで約6時間ほど運休を余儀なくされました。
これら災害での運休がなければかなりの改善効果があったものと見られます。
不動産業:増収減益
出典:長谷工アーベスト『ファインシティ王子神谷 公式サイト』(2017年11月14日参照)
不動産業については、売上高が前年度比で+26.7%、営業利益が+16.6%の増収増益となっています。この中でも「ファインシティ」ブランドでマンションを建設する販売業と、賃貸業の2部門があります。
今回の大幅な増益については分譲マンション販売の好調が多数を占めているようです。
流通業:京阪モールが好調、百貨店が不調
前年度営業利益-7.9%であった流通業については、今期は大幅に改善しています。売上高こそ-2.0%となったものの、営業利益は+18.0%と減収増益となっています。
流通業のブランド名としては、京阪百貨店、京阪モール、フレスト、Sweets boxがここにあたります。
内訳としては次の通り。
百貨店事業:2億2100万円の赤字
フレストなどのストア事業:4億5700万円の黒字
京阪モールなどのショッピングモール経営:8億2700万円の黒字
となっています。
苦戦している百貨店事業についてはインバウンド効果による化粧品販売の好調から盛り返してきてはいるものの、俄然赤字が続きます。インバウンド効果はユニクロの好調さにも現れ、ユニクロをテナントとして抱えるストア事業は4.2%の増収を果たしています。
関連リンク
参考資料
京阪ホールディングス『2019年3月期 第2四半期 決算説明会資料』
<https://www.keihan-holdings.co.jp/ir/upload/2018-11-05_kessan-hosoku.pdf>
https://twitter.com/OsakaSubwaycom/status/1059429212346494976